覆河原と座禅石とあじめ

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(1)覆河原と座禅石とあじめ

むかし、大幢寺を開かれた高山の雲竜寺の開山了堂真覚和尚 が、寺の前にある座禅石に座ってお経を読むのを毎日のつとめ にしていました。その座禅石は、今でも大幢寺の前に大切に保存されています。
ある時、白髪の老翁が和尚の前に現れて、「我は一の宮の神であるが、今、仏法を授けてもらいたいために、このような姿になってあなたの前に来たのだ。」と言われました。和尚は、仏祖単伝の正脈を授けられました。すると、老翁は大そう喜ばれて、和尚に向かって、「ありが たい教えに合い、満足である。どのようにしたらこの報恩に報 いることができるだろうか。」と言われました。そこで和尚 は、「実は、毎日、座禅石に座ってお経をあげていますが、前 の宮川の流れが滝のようにやかましい音をたてて流れるので、 お経のさまたげになります。それで一の宮の大神様のお力によ って止めてください。」と頼まれました。老翁は、「それは、 いともたやすいことである。」と言われると、たちまち姿が消 えてしまいました。
一宮の神は、早速、宮川に住む「あじめ」という小魚を集め て、大幢寺の前の宮川の流れを止めて、地下をくぐらせて流すよ うにせよと命ぜられました。「あじめ」は、神様の仰せを守っ て宮川の流れを地下へとくぐらせて流すようにしました。これに よって、やかましい流れもピタッとなくなり、一面は河原になっ てしまいました。
それ以来、ここを覆河原(訛って鬼河原)と言うようになり ました。村人は、神の使いである「あじめ」を捕ったり食べた りすることを戒めています。

※座禅(ざぜん):姿勢を正しくして座った状態で、気持ちを集中すること。

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